夫婦の中身
- 2012年07月05日 |
- 夫婦とは |

世の中には、夫婦関係を改善したいと思っている人たちが大勢いることと思います。
それは、夫婦関係が壊れているとか、離婚寸前の状態とか、そういう状況下にいる夫婦だけのことではありません。
たとえば、
「話をしているとすぐに言い合いになってしまう」とか、
「些細なことがきっかけで喧嘩になってしまう」とか、
「一緒に行動したいと思うのに、相手 はそれをしてくれない」とか、
「本当はもっと話を聞いてもらいたいのに、相手は全く話を聞いてくれないとか、
「本当はセックスもしたいし、スキンシップを たくさんしたいのに、相手はそれを拒否している」
など、おそらく、挙げたらきりがないかもしれません。
ですが、多くのご夫婦は「夫婦関係を改善したい」と思ってはいるものの、実際には、それを改善しようとはしません。
なぜでしょうか。
改善するための方法がわからないからなのでしょうか?
または、改善する努力をしているけれども、効果的な方法ではないので、全く改善されていないからなのでしょうか?
「夫婦という肩書き」を持ってはいるものの、内情は「夫婦としての親密感」がない夫婦が、実際には、多いと私は思います。
つまり、「夫婦という肩書き」だけで満足してしまい、大切な夫婦の中身については気にしないという夫婦が、今の世の中、多いような気がします。
これはひとつの例ですが、ある日、ひとりの女性が、鮮やかな紅い色をした、艶やかで形の良いりんごを見つけました。
それは、とても美味しそうなりんごに見えたので、彼女はどうしても、手に入れたくなってしまい、そのりんごを買うのです。
しかし、とても美味しそうに見えた、鮮やかな紅い色をしたりんごの中身は腐っていたのです。
それでも、彼女は気にしません。
「中身が腐っていても、外側の見た目が良いからいいのよ」と言うのです。
私は、夫婦関係もこれによく似ているように思えます。
外側から見た夫婦の「形」がよければ、夫婦関係という「中身」が崩れていても、気にしない。
実際には、お互いによそよそしく、他人行儀な態度で接し、気持ち的にも冷めていて、精神的に距離がある。
そんな夫婦関係ではあるけれど、夫婦という「肩書き」を持っているから、それでいい。
そのような夫婦が、世の中にはたくさんいるように思えます。
欧米と比較すると、日本は「夫婦」という単位で行動する国ではなく、「個人」という単位で行動することを促している国です。
たとえば、欧米の場合は、ほとんどの場所へ、夫婦同伴、またはカップルで出席する場合が多いのに対して、日本は「個人」で出席する場合がほとんどです。
すべての場所がそうではありませんが、それでも、欧米の国民たちは「夫婦で一緒に行動するのが普通」という概念を持っています。
ですので、友人関係も、夫婦が友人同士であったり、ホームパーティに出席する場合も夫婦で一緒に出席したりします。
つまり「夫婦で1単位」という考え方なのです。
日本の場合は、結婚をしていても「個人」という考え方が強く、「個人で1単位」という状態なので、夫婦で行動するのではなく、「ひとりで行動する」という 場合が多いように思えます。
おそらく、日本人夫婦たちは、個人主義の人たちが多いのかもしれません。
欧米の夫婦事情を考えてみると、欧米の夫婦たちは、夫婦関係の「中身」を非常に気にかけています。
その証拠に、欧米では、夫婦関係向上のカウンセリングや、夫婦の問題を解決するカウンセリングを受けている夫婦たちが非常に多いのです。
カウンセリングを受けているからといって、精神的な部分で問題があ るというようなことではなく、彼らは、自分たちの夫婦関係の「中身」を充実させて、夫婦関係を良くして、さらに、夫婦としての自分達の人生を一緒に満喫し たいからこそ、カウンセリング を受け、自分達夫婦の関係をより良くしようとしているのです。
日本の場合を考えてみると、そういった改善を試みている夫婦は、非常に少ないです。
皆さんは、夫婦の中身を気にしていますか?
また、皆さんの配偶者は、夫婦の中身を気にする人でしょうか。
皆さんは、腐ったりんごをキープしておきたいタイプの人でしょうか。
中身が腐っていれば、徐々に外側も崩れ、最終的には、りんごというもの自体がなくなるのです。
夫婦関係も同じです。
もしも、今、夫婦の中身が痛んでいる状態であったら、未来の夫婦の形はどうなるのでしょうか。
皆さんは、それを考えたことがありますか?